ぺんぎんろーる

海と坂のある街

愚痴と生活の記録。歯列矯正・適応障害に悩んだ社会人時代のお話など。

3.11で被災した時の話

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あと1ヶ月ほどで東日本大震災から10年が経とうとしているタイミングでまた大きな地震がありましたね。皆様大丈夫でしょうか。
せっかくなので当時の思い出と引っ越してから驚いたことの話でもしようと思います。

 

2011.3.11

地震発生時

当時中学2年生だったので、体育館で3年生の卒業式の準備をしている最中でした。
突然クラスメイトの女子が「揺れてる?!」と叫び、数秒後には大きな揺れに変わっていました。大きな揺れが永遠と続くのではないかというほど揺れは収まらず、気づいたら体育館の天井からはバドミントンの羽やバレーボールが落ちてきました。
私はそれを「こんなに天井に挟まっていたんだー落ちてきてラッキーだなー」って思いながら眺めていましたが、クラスメイトの一部の女子はずっと怖がってキャーキャー言っていた記憶があります。
普通は可哀想にとか怖いなぁとか思われるんでしょうが、ぶっちゃけ私は全く怖くありませんでした。しいて言うなら、いつもギシギシいってる体育館がつぶれてしまうんじゃないか不安だった程度です。(全く崩れたりしませんでした。)
本心が収まった後ずっと小さな余震が続いていましたが、私はそんな大ごとだとは思っていなかったので友達と「親帰ってくるの遅くなりそうだしうちに遊びに来る?」なんて話をしていました。
私だけが怖がっていなかったのではなく、ほとんどの生徒は地震だー程度にしか思っていなかったと思います。先生たちは生徒の事や家族の事を考えて大変だ!とは思っていたと思いますが。
学校にいた全員がグラウンドに集められ、ずっと余震に揺られながらボケーっとしていると次第に雪が降り始めました。寒いし早くストーブの真ん前に行きたいなーなんて考えていました。

 

帰宅後

祖父がお迎えに来てくれたので車に乗って帰りました。学校で待機してる間に少しづついつもの地震とは違うのかも?と思い始めていましたが、祖父母の家(自宅はそこから10分ほどなのでよく家に行っていました)に着いたらびっくりしました。
家の前の道路は隆起し割れている状態、電信柱にはひびが入っていました。
祖父母の家の中は特に被害が無かったようで、私が帰ってくる前に片付けは済んでいました。しかし家の中はキレイでも、道路が割れるほどの地震だとはまさか思ってもいなかったので少し動揺したのを覚えています。
そのうえ水道ガス電気はすべてストップ。
常に余震があったせいか、海に入った後のように体が常に揺れている感覚がありました。

 

翌日以降

ここからは特に何もないので簡単に書くと、祖父母と母に大きな地震への経験があった・家が丈夫だった・備蓄がしっかりあったことなどから、被災生活はあまり辛くありませんでした。
結構学校に避難した人もいたようだったので、それに比べて我が家強くね?なんてって思っていました。
我が家はすごくてですね、石油ストーブが2台あったのでさほど寒さを感じず、ごはんを作ったりお湯を沸かしたりすることができました。冬の被災生活では石油ストーブはマジで最強だと思っています。
バカみたいに食べ物もありましたし、飲料水も10Lぐらいはありました。トイレ流すときは貯めていたお風呂の水と雪解け水で流しました。
3日目ぐらいになるとスーパーが一時再開したので、買ったお菓子やパンを食べていましたし、お風呂なんか1週間ぐらい入らなくても冬は平気なんだなって思いました。体は拭いてたんですけどね……髪の毛はアブラギッシュになりました……。整髪剤付けてなくてよかった。

 

 

地震を怖いとは思いませんでした

震災の体験記を読むと、津波に遭ってない方もも恐怖を感じたというようなことを書いているのが普通だと思ます。ですが私は、全く地震が怖いと思っていませんでした。

 

怖くなかった3つの理由

被災地の真っ只中だったので状況が分からなかったのもありますが、理由は3つあります。
1つは地震慣れしていたこと、2つ目は私が住んでいた土地は地盤が強かったこと、そして3つ目は私が常にネガティブなタイプであったことです。

 

1.地震慣れしていた

もともと地震が多い地域で、両親が小学生の頃も大きい地震がありました。私が小学生の時も大きめの地震が起きたせいで修学旅行の自由行動が無くなりました。
震度4程度までなら日常的によくあることでした。
しかも東日本大震災の2日前にも大きめの地震がありました。
もう、地震を怖がるとか全くないんですよ、「お、地震」ぐらいにしか思わないんです。
実際地震が来て怖がっていたのは、2・3人の女子しかいなかったと思います。そもそもみんな地震慣れしてる子ばっかでしたし。


2.住んでいた土地の地盤の強さ

土地の地盤が強いというのは何で知ったのかは覚えていませんが、何十年も前に起きた地震の時に大きな被害が無かったと家族から教えられていたからかもしれません。
また、私が住んでいたところは山を切り開いた土地で、距離は遠いですが小さく海が見えるぐらいの標高はありました。なので津波の被害は絶対になし。
そもそも長い歴史の間に何度も被害を受けていた分、様々な対策がとられていたようです。
少し歩くと土砂崩れの危険があるところもありましたが、大きめの地震が来てもいつも何の被害が無かったので、「地震が来ても何も特に困ることはない」と思っていました。

 

3.常にネガティブ思考だった

何ふざけてるんだと思われそうですが、うつ病の人はコロナ禍でもいつも通り不安であることには変わらないみたいな記事(ツイート)を最近見ませんか?(私は見たけどソースが見つからない)
そんな感じで、当時中学生にして既に生きる意味が分かんねーなーみたいな状態だった私は、大きな地震が来た程度じゃ何も変わらなかったんです。
常にネガティブだった私的には、たかが地震が来てインフラが止まった程度じゃネガティブな気持ちはいつも通りネガティブだったんです。

 

辛くはなかったけど辛い気持ちになった

ただ、たいして被災生活は辛くなかったといえども、大変であったことは変わりありません。
もちろん津波を間近で見ていたらもっと怖かったと思いますし、津波を体験した人たちの話を聞くと辛くなります。
テレビで特集が組まれているのを見ると、自分はこの時なんで何もしなかったんだろうて申し訳ない気持ちになります。私の家族・親戚は誰も亡くなりませんでしたが、友達の周りには津波に飲まれて亡くなった方がいます。

 

 

意識の違い

それから数年後、引っ越しをして西日本にやってきたのですが、地震に関して色々と驚くことがありました。

 

地震慣れしていない

まず一番驚いたのは地震がないこと。あっても震度1程度の気づかないようなものだったこと。東日本にいた時はそれなりに地震があったのですが、西日本の某所に引っ越してから地震がないことに気づいた時はかなり驚きました。

そして、地震があまりないということはそこに住んでいる人は地震慣れしていないということ。
会社にいた時、震度2か3程度の揺れがあったのですが、会社の人が「え??地震?揺れてない?!」とかなり動揺していました。私は地震ではなくトラックの揺れだと本気で思うぐらい小さめの揺れだったので、怖がっている同僚の姿を見てかなり驚いた記憶があります。

 

地震が来ないという過信

また、現在住んでいる土地でアルバイトを始めて研修を受けていた時、店長から「ここは災害ないから災害マニュアルの説明は飛ばすねー」と言われてかなり驚きました。
だって地震を経験した私たちからすれば、地震はいつ起きてもおかしくないからいつかのために準備をきちんとしておかなければいけないという考えがあったからです。
驚いている私を見た店長は「サンゴウさんはそういう経験あるの?」と聞いてきました。さっき出身地言わなかったっけ?と思いつつ

東日本大震災でインフラ全部だめになったんです。私は津波にあってないのでそこまで大変じゃなかったんですけどね。」

「ふーんそうなんだー」

とイマイチな反応。普段であれば出身地を言うだけで震災の事を聞かれるんですが、全くわかっていないようでかなり驚いてしまいました。
その後、なんで災害が起きないかの理由が面白いから話を聞きに行こう!と地元出身のバイターの元へ話を聞きに行くことに。

「ねぇねぇ!○○(バイター)さん!サンゴウさんなんか地震で大変だったらしくて―……。せっかくだからここの言い伝えのお話教えてあげてー。」

もう本当にびっくり、東日本大震災の事をなんか地震で大変だったと軽く言われるなんて思ってもいませんでした。相手の方も私の出身地を聞いてもいまいちわかっていない様子。
東日本大震災の話は毎年毎年特集が組まれていますし、東日本だけではなく日本全体に影響があった地震だと思っていました。
なので、私の出身地を聞いてもピンと来ていないこと・東日本大震災で被災したことを「なんか地震で大変だった」と表現されたことはものすごい衝撃を受けてしまいました。

同時にこれを言われたのが私で良かったと思いました。
変に心配されるのも嫌だと思いますが、もし津波を経験した人や震災で大切な人が亡くなった人がこのことを言われたらショックを受けるんじゃないでしょうか。
私は確かにあまり辛い思いはしていません。でも特集や経験した人の話を聞けばどれだけ辛かったかはわかるはずです。
もちろん私がHSP気質だから相手の感情が分かるっていうのもあるかもしれませんが……、でもHSPじゃなくても分かると思うんです。

ちなみに何故災害が少ないかという言い伝えは「この土地には神様が住んでいるおかげで大きな災害はない!」とのこと。
しかし数年前にこの土地でも大きな地震があったはずです。いくら少ないとはいえ絶対災害が起きないわけでは無いはず。
災害に対しての危機管理があまりにも無くて驚いてしまいました。

 

 

言いたいこと

グダグダと話を書いてきましたが、私が言いたいのは

  • 地震に対しては極度に怖がり過ぎない
  • 災害に対しての対策をきちんと行う
  • けして軽い気持ちで災害の話をしない

ということです。
必要以上に怖がってしまえば正常な判断ができなくなります。だからと言って地震が起きないだろうと過信していても、実際に起きた時に正常な判断ができません。
必要なのは地震に対しての知識を身に着け、きちんと対策することだと思います。
そして、自分はその災害について詳しくないからといって、災害に遭った人に対して軽い気持ちでその話をしないでほしいです。私は聞かれても平気ですが、当時の事を思い出すだけで辛い人はたくさんいます。
ぜひ相手の立場の考えたうえで話してください。

昨晩もかなり大きな地震がありましたが大丈夫でしょうか?
私の友達は大丈夫だったようですが、やはり数日後に大きな地震が来る可能性は否めません。次は津波が来るかもしれません。
ここまで読んでくださった方は是非、防災グッズの準備と災害の時にどうすればよいか対策を行ってください。
きちんと対策していれば、当時の事を思い出したときの辛い気持ちが軽減されるはずです。